会社等の設立/運営/承継

≪会社の設立について≫

会社をつくるには、どうすればよいのでしょうか。
〇もちろん、本店をどこに置くか、目的をどうするか、元手となる資金をどう準備するか、備品や設備の手配、だれが役員になるか、従業員の雇用は、など決めないといけないこと、実行しないといけないことがたくさんありますね。
大事なことは、会社についてのヴィジョンを明確にし、それにふさわしい会社の形態、種類を検討しなければなりません。

①目的や運営の仕方にかなった会社

我が国で、「会社」として認められるのものには、大きく分けて、出資者と日常の経営者を分離した「株式会社」と、出資者が経営を行う「持分会社」の2種類があります。もっとも、株式会社の取締役という経営陣の多くが株主であることも数多くあり、中小企業では普通のことでしょう。また、持分会社において、出資者のうち一部の人を業務執行社員として普段の業務をゆだねる方式もできます。
次に、株式会社には、発行する株式の譲渡を自由にする「公開会社」と、会社の承認制にする「譲渡制限会社」があります。これに資本金の額債務の金額の違いから、会社法上の大会社か否かに区分され、取締役会や監査役や会計参与が必要か、など、機関設計に法令上の制限があり、これを踏まえた組織にしなければなりません。
一方、持分会社には、出資者が会社の債務に自己の財産で弁済をもって弁済する責任を負うか否かによって、「合名会社」「合資会社」「合同会社」という3種類があります。

②設立や運営コストと拡張性

設立時のコストで大きいのが、株式会社の設立には、会社の基本規則を定めた定款の公証人による認証が必要で。この際公証人には、5万円を支払います。一方、持分会社はこの認証の手続きは不要です。
また、株式会社の設立登記の際に納める登録免許税は最低15万円となっていますが、持分会社は、6万円からとなっています。
また、株式会社は毎年度決算公告が必要ですが、持分会社は不要です。株主総会の招集や運営のコストも考慮しなければなりません。もっとも、非公開会社で少数の株主であれば、それほどコストはかからないでしょう。
一方、持分会社の出資者は、経営状況や責任の範囲によっては、拠出した財産だけでなく、個人の財産も失うおそれがあります。会社の拡張にともなう増資も一般的には株式会社、特に株式の売買に制約のない公開会社のほうが有利でしょう。

③設立の登記

そして、忘れてなりませんのは、わが国では、会社は本店の所在地で設立の登記をすることによって成立するということです(会社法49条、579条)。これは、会社には「法人格」が与えられることにより(会社法第3条)、会社はその名において取引するなどの権利や義務の主体となるため、登記により公示するためです。
設立の登記をするためには、会社の種類や組織の内容によって必要となる事項を定め、また、所定の手続きを経て作成された定款、出資が履行されたことの証明書をはじめ、設立のための種々の要件を備えたうえで必要な書面等を整えなければなりません。このような準備をして登記所に所定の様式により必要な情報を提供して申請し、その申請内容が登記所における審査をパスして初めて登記がおこなわれます。
会社の設立日は、登記が行われた日となりますので、希望した日に設立するためには、こうした要件をきちんと備えているのか、登記の専門家に見てもらい、できれば設立準備の当初から相談しておくのが安心です。
また、登記が通りましても、設立手続きに瑕疵があった場合、後からその設立が無効になりかねません。

○私たち、司法書士という法律家は、国家資格を与えられた登記のプロフェッショナルで、会社法や商業登記法などの法令に精通しておりますので、会社の設立について安心して相談し、必要な登記手続きをお任せいだくことができます。資本金の制限がなくなったといっても、苦労して設立する以上、永続する会社にしたいのは当然ですね。

≪一般社団法人等の設立について≫

一般社団法人は、一定の目的のために集合した人の団体に権利義務の主体となる地位、(「法人格」と呼ばれます)が与えられるものです。
ここで、その目的は、営利であってはなりませんが、これは、団体を構成する人(「社員」といいます。普通の用語では会社の従業員を社員というのと異なります。)に対する団体の剰余金の分配(株式会社の配当金などに相当するもの)や、解散したときの残余財産を分配する定めをしておくような団体であってはいけないのであり、収益事業を目的とすることは差し支えありません。
近時、相続や事業承継を念頭に、親族などで一般社団法人や財団法人を設立し、ここを個人の不動産や株式などの受託者としてあるいは譲渡先にして管理・運用を任せるといった使われ方も行われています。
このうち一般社団法人の設立は、2人以上の人が共同して団体の目的や名称、主たる事務所の所在地などを定めた定款を作成し、株式会社と同じく公証人の認証を受けなければなりません。その後、理事や機関設計に応じて幹事・会計監査人などを選任し、設立の登記を行うことによって成立します。
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これらの会社や社団法人等の設立につきまして、 東京青山司法書士事務所では、皆様の目的やコストにかなう組織について、ご相談しながら設立手続きをすすめていただくのが良いと考えております。もちろん、皆さまのご要望により手続きのいくつかをご自身だけでするなど柔軟に対応できます。また、「ご相談について」のページにありますように、ご依頼いただくまでのご相談は無料です。どうぞお気軽にこちらをご覧になってご相談ください。

≪会社等の運営・登記事項の変更≫

会社等の設立後も、目的や名称、所在地、役員等の変更は、速やかに登記しなければなりません。
(過料が課されることがあります)
また、募集株式の発行合併や会社分割などの組織再編、持分会社から株式会社への組織の変更などの際には、株主総会などの決議のほか、債権者保護手続き等の手続きが必要となり、そうした手続きが行われたことを証する書類がないと登記できない事項もあります。どうぞ前広にご相談いただければと存じます。必要な手順をご説明し、必要な登記手続きをさせていただきます。

≪多様な事業承継方式≫

会社の設立・運営には、いろいろと苦労がありますが、こうして維持・発展させてきた会社のオーナーである経営者が引退を検討されるとき、その後の事業をどうするか、所有財産をどう継承するか、租税負担はどうなるのか、特定の後継者に円滑にバトンタッチできるかなど検討課題が数多くあると存じます。
事業を身内または有能な従業員に承継させるのか、第三者に譲渡するか、ということが一番の課題ですが、所有している株式を後継者に譲渡し、役員選任権と配当受領権をともに移転する、というだけが事業承継の方式ではありません。
たとえば、元気なうちに遺言書を作成し、承継者を決めておくといった民法をベースとするもの、合併や会社分割など会社法をベースとするものから、最近では株式の議決権と剰余金の配当受領権との分離も含め、身内や第三者、また新規に設立した一般社団法人への信託を行う方法などが注目され、事情に応じて多様な方式があります。
しかしいずれにせよ、事業承継には事業そのものの状況と見通し、人間関係、財産の所有状況、相続税や贈与税、不動産所得税や登録免許税などの税制度など複雑な要素が絡んできますので、慎重な検討が必要なことも事実です。
当事務所では、このような多様な事業承継のあり方について、皆様の状況に応じて、契約や遺言書の作成、会社や不動産登記などの手続きについてご支援できます。ただし、現在および将来の税金の負担の問題も一緒に検討するのがよいと考えますので、ご希望により、信頼できる税理士等とも連携して、契約の仕方、事業再編手続き、遺言の作成、公証手続、一般社団法人の設立手続き、裁判所における手続きなど皆様のサポートをさせていただくのがよいと考えております。

 

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